ヘッジ量をシミュレーション

2020年6月20日土曜日

資料

t f B! P L

固定ポジションと吊り天井の比較

ここでは参考として、教科書通りの設定で
本体70本を固定ポジションを10本でヘッジした場合と
吊り天井10本スタートでヘッジした場合に
それぞれが本体の含み損をどれだけカバーするのか比較してみます。
条件は以下の通りです。

  • 1ロット1000通貨 
  • ヘッジの本数は10ロットスタート 
  • 固定ポジションの本数も10本でスタート 
  • 計算開始レートはドル円97.5円から 
  • ヘッジの方向はショートで計算 
  • ストップ幅は2.5円 
  • 下落幅は5円下まで 
  • 仮想建値は使いません 
  • 固定ポジションの建て増しはしません 
  • 吊り天井で利食いした資金は手元に残さず、 全て吊り天井の建て増しに使います
  •  含み益がヘッジを建て増せる金額に達した場合、即座に利確して建て直しを行う設定で計算しています。 
  • 利食いに際して生じるスプレッドは計算上考慮しません

結果

固定ポジション10本のみヘッジした場合

固定ポジション10本のみヘッジした場合は
5円下落してもヘッジ玉の本数は増えず、10本のままです。
よって5円下げた場合のヘッジ量は
ヘッジ1本目から10本目までで50,000円となります。



固定ポジション10本のヘッジ金額:50,000円

吊り天井で70本全てヘッジした場合

次に吊り天井を見ますと、
10本からスタートしたヘッジですが、
吊り天井はヘッジ一本分含み益が乗った時点で
利確して建て増ししていますので、
5円下げると60本のヘッジが追加されている状態になります。
その60本のヘッジ玉のカバー部分を計算したのが
以下の表となります。



この金額を合計すると
ヘッジ11本目から70本目までのヘッジ量は
101,823円になります。

つまり吊り天井の合計ヘッジ金額は

50,000円(1~10本目)101,823円(11~70本目)151,823円

となんと! 3倍の金額になっています!

吊り天井で70本全てをヘッジした場合の金額:151,823円


計算方法

グラフの計算に関しては以下の方法で計算しています。
まず1ロット建て増しに必要な利益幅を算出します。

1ロット建て増しに必要な利益幅=1ロット建て増しに必要な金額÷手持ちの吊り天井のロット数


これを現レートに加算する事で約定価格を算出します。

約定価格=現レート+(1ロット建て増しに必要な金額÷手持ちの吊り天井のロット数)

計算例

ストップ目安が2.5円幅で1000通貨10ロットスタートの場合、
ロットを1本追加するのに2.5円×1,000通貨=2,500円
1ロット建て増しに必要な利益幅は 2,500円÷10=250円
1円幅は1000通貨×1円=1,000円ですので 1pip=10円
250円をpip換算すると25pip
ショートなので97.5円から25pipを引くと 約定価格は97.25pipとなります。

同様の計算で12本目の約定価格を計算すると
2,500円÷11=227円 pip換算で22.7pip
約定価格は9725(97.25円)pip-22.7pip=9702pip(97.02円) となります。

これを70本目をヘッジするまで繰り返します。



またグラフを見ていただけるとわかると思いますが、
ヘッジの増加するスピードが後半になると
急激に上昇していきます。
これはヘッジのロット数が増えたことによって
ヘッジ一本あたりの利食い量が縮小する事によって
生じる現象です。個人的な感覚ですが、
本体の半分程度カバーできるくらいヘッジ量が増えると、
ヘッジの増加するスピードが
目に見えて上がっていきます。


固定ポジションとの使い分け

ただし、吊り天井が固定ポジションに比べて
ヘッジ手法として優れているというわけでなく、
下落幅との目安をひたすら詰めて
ヘッジの「面」を大きくしている事による結果なので
数円順行したら切られてしまい、ヘッジ量は極端に減ってしまいます。
手持ちの資金をあまりに吊り天井に振っていると
順行して吊り天井が切られた際に
急にヘッジ量が減って危険になる瞬間がありますので
吊り天井を切られる際にはトレンドが完全に転換しきったかどうか
注意してください。

また吊り天井でヘッジが強くかかり過ぎると
ヘッジが解消されるまでは
順行しても利益が出にくくなるため
全体がプラスでトレードを終了するには
吊り天井を解消する必要があります。
ですのでヘッジの性格としては
最終的には順行して切られる事を前提としている
掛け捨ての保険のような意味合いが強いです。

トレード開始から終了まで見た場合
固定ポジションの方がヘッジの効く期間は長くなるため
相場の状況によって使い分け
固定ポジションを併用してヘッジの切れ目を無くすのが望ましいです。



また固定ポジションを併用していると
吊り天井で両建てが成立するまでに
必要なポジション数を節約する事ができますので
結果的に少ない下落幅でヘッジが完成することになります。
そういった意味でも固定ポジションとの併用が望ましいと思います。

実際吊り天井と固定ポジションの相性は非常に良いと思います。
特にロット一本あたりの含み益は
下落幅が大きくなればなるほど
固定ポジションの方が大きくなるので、
落ち始めの頃は特にありがたみを実感します。
ですのでヘッジ手法はどれか一つというわけでなく、
状況に応じてバランス良く資金を割り振りしていくのが
大事だと思います。


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